イギリスからフィルムカメラを受注しました。
1994年に発売されたレンズ一体型のコンパクトカメラですが、スタイリッシュで現在も人気の機種です。バイヤーは長年探し求めていた、とのことで、きっと大切に扱ってくださると思います。
ロンドンには、10年前のことですが、ちょっとした思い入れがあります。
その日、私は初めてのヨーロッパ旅行の準備をしており、静岡の自宅にて昼間からウキウキしていました。当日深夜に羽田を出発するヒースロー行のJAL便に乗って、ロンドンの街並みを歩くことを妄想していました。
準備をしながらテレビを見ていたとき、見慣れない黄色いマークが画面上部に表示されました。意味が分からず、じっとテレビ画面を見ていると、突然揺れ始めました。
地震です。
大きい地震で長く続きましたが、静岡の家では何も問題はありませんでした。
しばらくして、テレビが地震を伝える緊急放送に切り替わりました。東日本広域で大きく揺れたようです。被害の状況がまだ把握されておらず、同じことを繰り返しているだけでした。
さすがにフライトのある深夜までには落ち着くだろう、と思っていましたが、日本の太平洋側全域に真っ赤な大津波警報が表示されるようになり、ただ事ではないことがようやく理解できました。
その日は2011年3月11日、東日本大震災の日でした。
結局、当日は全国の空港は閉鎖されたため、旅行は取りやめとなってしまいました。津波の被害はとても甚大でしたが、翌日からは福島原発危機も報道されるようになりました。日本中・世界中がとても不安に感じた時期だと思います。
もし、地震の前日に出発していたら、とても旅行気分ではなかっただろうと思います。途中で切り上げて帰国していたかもしれません(日本へのフライトは全てキャンセルだったかも?)。そういう意味では、まだ運がよかったのかもしれません。
10年経った今でも、未だロンドンを訪問することができていませんが、カメラは無事旅立ちました。私もいつか訪問できれば、と思います。